あの時代

 朝日新聞夕刊の「ニッポン人脈記」は、新シリーズ「反逆の時を生きて」が始まった。その第1回は「二十歳の原点」である。もう一度読み返したい、でも読むのが怖い。心の中は複雑である。

 1969年に同じように二十歳だった関川夏央さんは、1993年に『砂のように眠る むかし「戦後」という時代があった』を書いたという。そのなかに「1969年に二十歳であること――『二十歳の原点』の疼痛」という文があるそうだ。読んでみたいと思う。その関川さんは、そのころ何を?と聞かれても「昔のことは忘れましたね」と言う。
 自ら命を絶った1969年の二十歳、40年後に「昔のことは忘れましたね」と言う1969年の二十歳。「ニッポン人脈記」の筆者も同世代。新シリーズ「反逆の時を生きて」に期待する1969年十九歳の私。

 「傍観は許されない。何かを行動することだ。その何かとは何なのだろう。」と思い悩む1969年の二十歳。そう問うてくる波のうねりは、私のすぐそばにも達していた。たった1年の年齢の差で、『二十歳の原点』の著者はその渦に飲み込まれてしまった。何年たとうが客観的に読むのが難しい本である。
2009年6月19日 20:15 | コメント (0) | トラックバック (0)
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