蚊取り線香の話

 朝顔、風鈴、蚊取り線香は夏の風物詩だ。とは言っても、朝顔は苗を買ってこなければならないし、風鈴は生活騒音といわれかねない。どれも、いつの間にか普通の生活から遠のいていった。蚊取り線香も機密性の高いマンションでは、長時間使用するとむせそうだ。
 今年は、ベランダガーデンの手入れをしたこともあって、久しぶりに蚊取り線香を買った。ひと巻を一度に使い切ることはなく、三分の一くらいのところで折って消してしまう。

 「新物理の散歩道 第5集」の”立ち消えする渦巻き線香”を読んだ。物理的思考をする人とは、こういうことに目をつけるのかと驚き、感心した。物理学者はどんなところに目をつけたかというと、同じ蚊取り線香を同じように使用したのに、燃え残りの部分の形がそれそれ違っていることに目をつけたのだ。
 そこで、「何故だ?」と思うのが物理学者。そんなことは気にもとめず捨ててしまうのは私。途中で火を消したいときにクリップで線香を挟むのは物理学者。最初から三分の一くらいのところで折って使用するのは私。

 「何故だ?」と思えば実験をするのが物理学者である。その実験というのがまたすごい。道具らしい道具は何もない。ただただ蚊取り線香に火をつけるだけ。しかし、それそれの条件は事細かに違えてあるのだ。予測を立て、事細かに条件を違え、詳細にデータを取り、それを分析する。物理学とはそういうものらしい。私とて根気がないわけではないが、こういう種類の根気は持ち合わせていない。

 実験の話とは別の話題として書いてあったのが、火をつけた蚊取り線香を灰の中に入れるとすごいことになるということだ。すごいというより危険…?かも。
 仏壇のお線香は灰の中に寝かせて置く場合もある。この場合は何事も起こらない。もしそれを灰の中に少しでも押し込んだら、やはりびっくりするようなことになるのだろうか?…という疑問が生じたが、怖いので私は試してみる気にはなれない。

 「まだまだ試してみる実験はたくさん残っている」と、この本の筆者はいう。この文が書かれたのは1980年。その後蚊取り線香の実験をした人はいるのだろうか?
2009年6月 9日 21:14 | コメント (0) | トラックバック (0)
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