脳科学的

 法務大臣は、3人の死刑囚の刑を執行したとその氏名とともに発表した。氏名や執行したことを公表することには異論もあるようだが、死刑制度がある限りこうした発表をすることは筋が通っている、と私は思っている。
 朝日新聞社のPR誌「1冊の本」2月号の「巻頭随筆―1冊の本」は、「決断と正義―裁判員制度と感情 伊東乾」だった。伊東乾という人については何も知らなかったのだが、作曲家=指揮者、大学教師?という肩書きの、わけのわからない人らしい。この「決断と正義―裁判員制度と感情」は、朝日新書『反骨のコツ』(團藤 重光/伊東 乾 著)の宣伝である。朝日新書だからたいした本ではないというのは私の偏見だが、それしても何が言いたいのか、言いたいらしいことははっきりしているようだが、何だが突拍子もない論理を展開する人だ。
 「裁判員制度を実施するなら、死刑制度は停止しなくてはならない」と言いたいらしい。問題は、何故か?という部分だ。筆者は、今流行りの脳科学からそれを論じるというのだ。ここですでに眉唾である。裁判官は感情のトレーニングにより正義感を身につけているが、一般人の裁判員が量刑の決定をするときには、脳科学的にはその意思決定は理屈(理性?)ではなく情動(感情?)によってなされる…というのだ。一般人の裁判員に量刑の判断までさせることは、被告人への殺意(感情?)を持つことを求めることになるから、「裁判員制度を実施するなら、死刑制度は停止しなくてはならない」という。なんという論理の展開をする人なのだろう…と驚き呆れ戸惑った。
2008年2月 1日 18:53 | コメント (0) | トラックバック (0)
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