この部屋を出てゆく

 『この部屋を出てゆく/ぼくの時間の物差しのある部屋を』、『ぼくがかなしいのはむろん/そのためじゃない/大型トラックを頼んでも/運べない思い出を/いっぱい残してゆくからだ』、『かならず/とりにくるよ/』
 今朝の天声人語で紹介されていた、関根弘さんの詩「この部屋を出てゆく」の(天声人語氏による)抜粋である。私も何度か引越しをしたが、思い出を残してゆくというのは理解できない。何故だ?と自分でも思う。これまでに住んだ土地にも家にも部屋にも馴染めなかったからか? 執着もなく何も残さず次の土地へ家へ引っ越してきた。何かから逃れるように?いや、そうではない。前方(恰好をつけて言えば未来、将来か…)しか見ていなかったのだ。周囲の反対を振り切って結婚するために実家を出て西へ…、オットが勤めていた会社が倒産寸前になり新しい勤め先を得てさらに西へ…、子どもが生まれ子育てができる環境を求めて現在の家へ…。
 それにしても、なぜ私は、思い出を残してゆくとかそれをかならずとりにくるよという気持ちが理解できないのだろう? 何故だ?

2018年3月 9日 9:12 | コメント (0)