風評被害

 産経新聞12月23日(日)20時21分配信の記事によると、『連続変死事件が、思わぬ形で「尼崎市」に風評被害を及ぼしている』そうだ。『尼崎市役所には「尼崎のイメージダウンを一掃する取り組みをしてほしい」などと対応を求める市民の意見が相次いでいる』という。

 関東では「尼崎」と「釜ケ崎」を混同する人も多い。少しは知っている人でも「尼崎は暴力団だらけで、日中でも1人で街中を歩けない所だ」などと根拠のないことを言う。だから私は、関東地方に住むようになってから一度も自分の出生地を明かしたことはない。

 先の記事には「尼崎とはどんなまちなのか」がよくまとめられている。引用すると...

大阪湾に面し、兵庫県南東部の大阪府境に位置する人口約45万人の中核市。交通アクセスは抜群で、阪急、JR、阪神の鉄道3路線が市内を横切る。かつては阪神工業地帯の中心を担う「工都」として発展し、日本の高度経済成長をリードした。一方、国道43号沿いの大気汚染や水質汚濁など、深刻な公害が市民生活を脅かした時期もあった。

 私の生まれ育ったところは、大阪(梅田)まで電車で13分である。神戸元町までも30分ほどである。例の事件が報じられたとき地名を聞いてもすぐには思い出せなかったが、事件のあった民家は私の住んでいた家から東へ徒歩15分ほどのところ、事件現場とされるマンションがあったのは西へ徒歩15分ほどのところだった。

 私が再び尼崎を訪れることはもうないが、今回の事件とその報道は「嫌な思い」どころではない。「尼崎」は、二度と口にしたくもなければ耳にしたくもない地名となった。昭和の初めに母方の祖母が建てた家に私は生まれた。大学の4年間を除いて結婚するまで尼崎に暮らした。言ってみれば故郷である。決して好きな土地ではなかったが、異様な事件のせいで「尼崎」が全国に知れ渡ったのはとても悲しい。

2012年12月24日 10:25 | コメント (0)