本に付合う

 先日図書館で借りた本 、「大空と大地へ還りゆく日は」(高田宏・著 河出書房新社 2003年)は五重丸、
「猫のしっぽ」(高田宏・著 高田雄太・絵 新潮社 2000年)も五重丸、「天野忠随筆選」(山田稔・選 編集工房ノア 2006年)は三重丸、「落葉隻語 ことばのかたみ」(多田富雄・著 青土社 2010年)は二重丸といったところ。

 高田宏さんの本は、きっとあなたの気に入ると思いますよと薦められた本だった。大当たりである。この次も2、3冊借りる予定だ。
 「天野忠随筆選」は、選者が山田稔さんだったので借りてみたが、これまた思うところの多い本だった。最後のほうにある「自筆年譜の”日記から”」にあった誕生日の記述は印象的だ。それは、こんなふう。

「誕生日、67歳也。」、「誕生日也。73歳となる。オヤオヤとしずかに驚いてあたりをソッと見廻す如し。」、「今日満にして75歳の誕生日也。おやおやおかしけれども。」、「今日で80歳になる。おかし。」、「82歳になる。何故かおかし。」、「(83歳)…結婚祝いに貰った柱時計がこのごろ急に進み出した。十分進んだりする。それでも忠実にコッチンコッチン働いて間違った時を知らせてくれる。あれからもう53年にもなる。辛度いことならん。それが私にはようく分かる。」(以上『春の帽子』1993年刊「1974年からの略歴」より)…といった具合。

 もうひとつ、とても気に入ったのはこれ。75歳の誕生日の記述の中にある。『大田垣蓮月尼の手紙に「…略…云々――」いい手紙というものはゆっくりしたリズムを持っている。』というその手紙の中のことば、『長寿され候事のみ願ひ上げまゐらせ候』。この言葉を知ってしまったら、お達者で、とか、ご自愛のほど、なんて恥ずかしくて使えなくなる。「大田垣蓮月」で検索すると、なんと杉本秀太郎さんの著書(青幻舎 2004年刊)が出てきた。
2011年4月24日 19:45 | コメント (0) | トラックバック (0)