東京迷路駅

 東京へはほどほど出かけているが、東京駅の外へ出ることはめったにない。先日、三菱一号館美術館へ行くために珍しく東京駅で降り立った。総武線ホームから延々とエスカレーターに乗り地上に這い出ると、丸の内南口はすぐのはずだった、私の記憶では…。
 工事中の東京駅は床はボコボコ黒いシートが張られ、まわりは囲いだらけである。わからないままに前進すると、見たこともないような場所(角にアンデルセンがある所)に出た。どちらに向いて歩いているのかわからないまま、案内板を頼りに丸の内南口を目指して進むと、どうにかたどり着けた。しかし、どこをどう歩いてきたのかは、駅構内図を見ても理解できない。東京駅構内で迷子になったらどうすればいいのだろう?
 
 どうにか外へ出たはいいが、丸の内は背の高いビルが建ちこめ先が見渡せない。方向だけ確認して歩き始めたが、延々とはとバスの乗り場が続いている。不安になりつつも、このあたりと目星をつけて信号を渡ると、TOKIAの前だった。この近くにあるはずだ。でも見つけられない。警備員に尋ねる。やはりすぐそこだった。

 その後は八重洲側に移動して、北原ビルへ行くことになっていた。八重洲側に出るのは問題なく済んだ。八重洲ブックセンターもすぐに目に入った。その左側の通りを入ればすぐのはずだった。明治屋まで行ってはダメよと言いながら進むと、すぐに明治屋だ。戻りつつ、きょろきょろするが見つからない。角のドラッグストアで尋ねると、目指すビルは目の前だった。道路に面した入り口は、階段だけである。なんともおそろしく古びたビルだ。ガタビシ音を立てるエレベーターで上がると、いきなりドアが二つ。そのうちのひとつが目指す店だった。こんなところで商売をしてる人がいるとは、東京とはフシギなところである。

 三菱一号館美術館は、私好みの洋館だ。ひとつひとつの部屋を訪ね歩くように見て回る。こういう雰囲気の美術館は好きだ。しかし、この日は少々気分が悪かった。
 おばさま二人におじさま一人のグループがいた。そのうちのおばさまの一人が、それぞれの作品の前で、いちいちご自分の知識を披露するのだ。しかも声高に。見るからに元教師風情である。まわりにいる私たちは「アナタの生徒じゃないんだぜぃ」と言いたかった。自分たちだけが楽しけりゃいいっというものではない。小さな展示室では控えめにしなきゃ…と自分自身にも言い聞かせたのはいうまでもない。
2010年10月23日 11:17 | コメント (0) | トラックバック (0)