台風

 天に向かって毒づいたのがいけなかったか、台風が熱帯低気圧になって私の住む地域にも大雨をもたらした。1時間に52ミリもの大雨である。マンションのすぐそばには水路がある。高台の方から埋立地を通り抜け海に注ぐ水路である。それが氾濫した。

 運悪くちょうど大潮だった。あれよ〜というまもなく氾濫した。水の怖さは頭ではよく知っているつもりだった。怖いということも理解しているつもりだった。しかし、実際は予想を超える勢いで氾濫した。氾濫したあと、さらに勢いを増してあたり一面を水没させた。浅いところで膝下くらい、深いところでは腰のあたりまで水没した。

 我が家で借りている駐車場は、水路のすぐそばである。マンションの管理事務所から、車を高台に移動するようにとの緊急連絡の放送が流れた。こんなときは自分の判断で行動するのではなく、指示に従うのが原則だ。即行動に出たのはいいが、私は運転ができない。管理人さんに頼もうかとも思ったが、それどころではないだろう。同じ階の知り合い宅へ走り、助けを求めた。

 水かさが増え始めてから1時間ほどで氾濫し、さらに1時間ほどしてやっと水は引いていった。夕方5時半から7時半にかけての出来事だった。もうあたりは暗く道路の段差がわからない。駐車場へ入るところの段差においてある鉄板?はぷかぷかと水に浮き、道の反対側へ流されていく。心の底から怖い…と思った。怖かったことと、手におえないことがらを処理しなければならないことで、胃が痛みだした。
2010年9月 8日 21:27 | コメント (0) | トラックバック (0)