本当に誤解か?

 朝日新聞「オピニオン」に、『「脳死は一律に死」は誤解』と題した参議院議員の人の意見が載っていた。改正臓器移植法では、『脳死した者の身体』について、「その身体から臓器移植に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって」という部分が削除されたことで、「脳死は一律に死」との誤解が生じている、…というのがこの人の意見のようだ。脳死した者の身体に関する法律上の定義規定がいかに改正されようとも、臓器移植の場合に限って脳死は人の死という原則は変わらない、というのだ。読んでいて思ったのは、この人自身にも誤解がるのではないかということだ。それとも、私に誤解がある…?

 まず考えたいのは、なぜ「その身体から臓器移植に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって」という文言が削除されたのか?ということである。この部分はドナーの意思と密接な関係があると、私には思える。ドナーの意思表示があるかどうかが大前提であったこれまでの法律では、この部分は不可欠だったはずだ。それを削除したのは、ドナーの意思は不要としたからである。医学的に脳死と判定されればそれはすなわちその人の死、としたということなのだと思う。
 そうなれば、すべての脳死になった人はドナーの対象とみなしてもよいということになる。積極的に臓器移植の話を持ち出し説得しやすくなる、ということだろう。そう考えれば、「脳死は一律に死」は誤解であるとはいえない。
2010年7月21日 10:13 | コメント (0) | トラックバック (0)