みなさま、よいお年を

 あと11時間ほどで2009年も終わろうとしている。まぁ、それだけのことではあるが、それを境に天候は急変しそうだ。気温もぐっと下がりそう。そうなれば、やはり本とチョコレートを抱えて冬ごもりするに限る。

 手始めに、「私の好きな孤独」(長田弘・著 潮出版社)を開いた。16ページに「猫の名前」というエッセイがある。猫に名前をつけるのははなはだ無謀なことだ、…というのがその内容だ。物語のなかで”ウサギ”と名をつけられた猫は、自尊心を傷つけられ、自分の名に疑問を持ち続け、作者を非難の目で見つめることをやめなかったそうだ。そうでしょうとも、そうでしょうとも!猫にウサギだなんて…。

 『無名であることの誇りこそが、おろかな人間たちのあいだで生きるすべての猫たちに、つねに独自の威厳をもたらしてきたところの、語られざる秘密なのだろう』…と著者は記す。そう、そう、そうなのよ!…ということで、私が出会いともに過ごした猫には名などつけず、尊敬の念を持って生涯「ねこさん」と呼んだのだ。

 孤独な私の時間のなかで、「この世の在り方の問題をみずから率直なものにするのが孤独」という本を読みながら、行く年に別れを告げ、来る年を迎えることにしよう。
2009年12月31日 13:16 | コメント (0) | トラックバック (0)