不可思議

 夕刻というにはまだ間がある、午後の電車内でのこと。乗客はほどほどで、立つ人がちらほらといったところ。端っこのシートに座った私の前に、若い男性がふたり立った。一緒に乗ってきたのではなく、車内で偶然出会ったらしい。降りるまでの30分間、ずっと話をしていた。

 目の前というより頭の真上からの声は、聞く気がなくても耳に入る。学生のようなのだが、話の内容は共通の知り合いの情報交換(噂話とは少々違っていたような感じ)ばかりなのだ。それも、直接自分が会った時の話ではなく、いわゆる又聞きの情報ばかりだった。

 コレって何なんだろう?と思った。この人たちにとっては、知り合いの情報を共有していることがそんなにも大切なことなのだろうか。それらの話の間に、そのふたりは自分自身について語ることは全くなかった。とても不可思議な光景に出会った…という気がした。
2009年6月11日 9:15 | コメント (0) | トラックバック (0)