言葉拾い

 夢見ごこち、着ごこち、寝ごこち等々、「ごこち」という言葉は日常的に使われる言葉である。たぶん…現代でも。しかし、「風邪ごこち」という言い方は聞いたことがない。かぜごこちではなく、かざごこちと読むらしい。これは、今読んでいる、杉本秀太郎・著「青い兎」のなかにある。なんとはなしに心引かれる1文である。いつか、「わたし、今、風邪ごこちで…」などと使ってみたい言葉である。

 杉本秀太郎さんの本を競い合って読んでいる私の知り合いは、「家づと」がいたく気に入って使ってみたいのだという。「…前年の秋さいごに拾った実をトランクの底に収めて家づとにした」という文章が出てくるのは、「青い兎」のなかの「琺瑯鉢とマロニエ」と題した1文だ。

 本のなかでたゆたう言葉を、そっと両手ですくいとりながら読んでいる。そんな読み方も、またいい。
2009年4月28日 21:26 | コメント (0) | トラックバック (0)